19.12.05
久々の『里帰り』(その2)[旅行・見物記]
翌朝、目が覚めたのは5時半ごろ。長時間移動に費やした後、あちこち動き回ったにも関わらず
早くに目が覚める。こちらにくるといつもそうだ。さっそく時差ボケ。意地でも二度寝に持ち込み、
8時頃に朝食へ。
久々のドイツパンは塩気があって、皮がパリパリで、美味く感じる…もっとも数日するとふわふわの
パンが恋しくなるのだけれども。
このホテルではバターやクリームチーズ、紅茶葉もきちんとした所のものを使っていて、良い感じ。
なんと言っても新聞も無料だし♪…50ユーロでこれは嬉しい。
早めにホテルを出て、郵便局で葉書を認める。窓口で「日本まで」と葉書を差し出すと、職員さんが
張ってくれたのは切手ではなくてシール。窓口で差し出す殆どすべての郵便物は、切手の代わりに
シールが張られるようになってしまったらしい…記念切手のコーナーで買うしかないのか。
「綺麗なのに、勿体ないね」なんて話していると、ポストバンクの口座のパンフを貰ってしまった。
以前は口座管理費を払うのが当然だった(学生などは除く)ドイツ。どうやらその費用が無料という
商品が出てきた。当然メインバンクにするだの何だのという条件はあるが、やっぱ競争が激しく
なってるんだなあ。…その分サービスも向上したけどね。
9日は面会が3つ。
初めてボンに来た時に、ずいぶんよくしてくれたおば様、ゲルダ(思えば9年程前の事!!…恐ろしい)
のお宅にお邪魔して、お茶を飲みつつ話をする。主に近況報告とか。その後大学まで戻り、レスカに
再会。
ちょっと前まで日本に居て、「お餅」がすっかり好きになってしまった彼女のために、1キロ持参。
ついでにMUJIグッズも。一緒に軽く食事をした後、律儀な彼女が本を贈ってくれた。

『Der Schwarm』…ドイツ人のミステリー作家によるもので、私が日本に帰る頃だったか、本屋で
平積みになっているのを見たような気がする。丁度ペーパーバック版で出たと言うのだが、なんと
1000ページ!!いや、嬉しいんだけどさ…持って帰れるかしら。
それからクリスマス市で、彼女のホストファミリーへのプレゼントを一緒に探す。あれこれ見ている
だけで楽しくなるのはもちろんだけど、受け取った人の驚き・喜びを想像しながらの買い物はきっと
心を暖めてくれるんだろうな。
彼女と別れた後は、以前住んでいた家へ向かう。大家さん一家が夕食に呼んでくれたのだ。
ゲルダもレスカも何度かの再会を重ねているけれど、ルバたち一家に再会するのは当然ながら
初めて。オマケに子供も3人居るし、2年半の間に皆大きく変わっているかもしれないと思うと、心は
なんだか落ち着かない。
いつものバス停を降りて歩き出すと、教会が見えてきた。雲ひとつ無い、快晴の夜空。飛行機の中で
見えていた月と同じ月が教会の上、高い所を照らす。
一緒に降りた老婦人が、教会の敷地内に足を踏み入れた時、丁度待ち構えて居たかのように鐘が
鳴り出した。クリスマス前の夕べの祈りなんだろか。
鐘の音は、冷たい空気にどこまでも広がっていき、それが緊張気味の私の心を静めてくれた。
人っ子一人居ない路上を進むと、やがて見えてくる一軒屋。壁や窓を彩る電飾に、少しホッとする。
ベルを鳴らすと、顔を出したのはイーナ。もう7歳になった。小さかった彼女の顔つきも、少し
ほっそりして、そして何よりも背が伸びた。「感動の再会」というよりも、ごくごく普通の反応で多少
拍子抜けしたものの、奥から姿を現したルバとはさすがにしっかと抱擁…帰ってきちゃった~(笑)
なんて言いながら。
イーナに日本から持ってきたお土産はなぜか「リサとガスパール」のぬいぐるみ。

確かに作家はドイツ人だが、もともとはフランス発の絵本。なのにわざわざ持ってきた理由はというと
単に「可愛いから」&それからものすごく手触りが良いから。
小学生にもなってぬいぐるみなんて…という心配も無用だったようで、イーナは気に入った様子。
ドイツでもこの絵本は訳されていて、「Lukas und Nina」という名前で出回っているのだが(その殆どが
絶版…なぜなんだ!)、イーナとNinaでは丁度韻を踏むため、母親のルバが「ハロー、イーナ、
わたしニーナ♪」とメロディをつけて歌いだすと、イーナの笑顔が一段と明るくなった…それがまた
ホントに可愛いんだ。
それから理科系の父、フォルカーが好きそうな「アントクアリウム」も持参。事前に調べたら、ドイツ
では流通してないようで、彼らの反応もかなり好感触だった。
日本ではホリ○モンがブログで取り上げてからちょっと流行った時期があったけれど、いささか下火
気味…でもフォルカーたちの眼は「アリの生態を観察できる」「NASA開発のジェル」という呪文で
生き生きしている。そして何よりもネーミングが気に入ったらしい。
もともと兄のティムの方が好奇心旺盛で、こういうのに食いつくかなと想像していたが、意外な事に
弟のシモンがかなりの興味を示して、「早くアリを入れてみたい」「自分の部屋に置いてもいい?」
と積極的。喜んでもらえて、ホッとする。
それから皆で夕食をとる。豪華なディナーではなくて、ドイツ人らしく(?!)スープとチーズとパンの
シンプルな食卓。チョコレートやフルーツをつまみ、イーナとフォルカーのバイオリンに耳を傾ける。
フォルカーがタイでの休暇の写真を見せてくれる傍らで、イーナが時々走り回り、私にちょっかいを
かける。イーナのあまりの変わらなさに、2年間の空白を一瞬忘れてしまう。
10時近くになり、ルバの車でホテルへと向かう。交差点で待っている時、ふと窓の外に眼を向ける。
以前使っていた路面電車のホームは見違えるように綺麗になって、夜も遅いというのに電光掲示板
が煌々と周囲を照らす。時折「持ち主のわからない荷物は係員まで」といった表示が出ている。
…ボンでもこんな注意書きを見るなんて、と少し驚いた。時代は変わっている。
ホテルの傍の停留所で、下ろしてもらう。貰ったワインが入った袋に手を掛けて、別れを告げる。
じゃあまたね。また春にね。来たら連絡するよ…。
渡ってきた橋の方へ消えていく車に手を振って、歩き出す。袋に入れてあった手袋を出そうとして、
中を探るが、…ない。最近使用し始めたばかりのレザーの手袋。実はかなり気に入っていた。
マヌケなことに今走り去ったばかりの車の中に置き忘れたらしい。確かに袋が幾度か倒れたのは
見ていたけれど…さっきの感動の(?!)別れの挨拶は何だったんだ(笑)
そんなわけで、明日中に手袋を取り戻さなくてはならなくなってしまった。
部屋に戻ってテレビを付けると、丁度WMの組み合わせ抽選会の様子が報じられていたが、頭の中
はもう、手袋とお土産の算段で一杯。
(その3)へ続く。
投稿者 contra : 19.12.05 21:32お久しぶりです。更新されていないところを見るとまだまだお忙しいのかなと思いますが、多少は落ち着いてきましたでしょうか? 1000ページもあるという"Der Schwarm"、手に取る機会はなさそう…? この本、すごく売れてるようなので気になります。
いろいろとすることの多いだろう中、お体などこわしませんように。
ご無沙汰しております。
いやはや、2ヶ月ぶりにようやくネット環境が整いました。
どうもご心配おかけしました。
これから少しずつ更新して行けたら良いなあ、なんて思っています。
Der Schwarm、いまだにインテリアの一部なのですが、どうやら
ハリウッドで映画化とのこと。2008年公開だそうですので、それ
までに読めればいいかな?!(ということは邦訳も出るかしら)

