15.12.05
いくつもの眼[気になるモノゴト]
それは11月になろうかという頃だったっけか。注文した商品がAmazonから届いた。
同封されているチラシが眼にとまった。「クーリエ ジャポン」という雑誌が創刊される。
フランスで成功を収めた雑誌「Courrier international」の日本版が創刊されるという。
世界の1000メディアから、様々な視点の記事を厳選して、紹介する…要するにメディアをはじめ
とするアメリカ中心な意識、「世界=アメリカ」というイメージを覆そうという雑誌らしい。
確かに日本で手に入る活字情報というのは限界がある。とはいえ今ではブログニュースをはじめ、
情報を得ようと思えば幾らでも手に入る。その上、海外メディアの記事も今ではネットで読むことが
できるし、それで不自由していないからいいという人も多いだろう。特に英語のできる人はそう感じる
かも。…けれど世界のどのメディアも英語で情報を提供しているわけではないし、自分の興味
だけではカバーしきれない情報なんて、世界には無尽蔵にあるし、そもそもそんだけの情報を求め
ネットをさまよう時間など無いわいな。
こういうタイプの雑誌が欲しかった自分としては期待も膨らんだ。
そんな訳で創刊当日の11月18日、早速コンビニへ立ち寄って、実物を入手。
創刊号ということもあって、良くも悪くも気合が入っている感じがものすごく伝わる。
特に総選挙の分析記事は、小泉首相に対する評価・批判をバランスよく紹介しようと努力していて
面白い。普段だと、自分の信条に「より近い」論調に触れておしまいなのだけど、ここでは一度なり
とも、他の意見に耳を傾けることのできる場所がある。雑誌としては一つの意見を推す事はない為、
ちょっと平板な印象を受けるけれど、それも慣れれば気にならなくなるかな。一つのモノゴトを、
ざっと広く見渡したい人向けですね。
その後、創刊2号になって少し力が抜けた感じを持ったものの、印象としては熱くも無く冷たくも無く、
安定した印象。とりわけヒラリー&ライスについての評論記事は面白く読んだ。二人の生い立ちから
彼女達のバックにつく陣営まで比較していて、これまであまり関心のなかったアメリカの「次期
大統領」について少しだけ興味が出てきた(←単純)。
また、3号のフランス人女性記者による、イラクでの米軍従軍ルポも読み応えがあった。
また「外から見た日本」の姿を紹介する企画も多い。…私もそうだが、なぜか日本人は「外国から
どのように見られているか」が妙に気になってしまうところがあると思う。だからこそ成り立つし、
ま、そこそこ面白いからいいんだけど、その分上のような読み応えある記事が減るのはイヤだな。
それから本当は気にすることじゃないのだろうけど、創刊号の巻頭で本国フランスでの購読層の
プロファイルが紹介されていた。…が、これがなんとも言えない。正直萎えた。
●クーリエ・アンテルショナルの読者層は?
35歳 読者の平均年齢。ほとんどが都市生活者。
80% 管理職、もしくはエクゼクティヴ。
72% 「自分は仕事とプライベートの両方で成功している」と考えている。
56% 過去1年間に海外でバカンスを過ごしている。
48% 社会活動や文化活動に携わることが非常に大切だと考えている。
46% グラン・クリュのワインを楽しむ。
なんて嫌味ったらしいプロファイルだろう!グラン・クリュとかいちいち書くなよ(笑)
日本ではもう少し学生とかの割合が増えるとは思うのだが、フランスの中に未だに厳然と存在する
「階級」を感じる。ここに描かれている、いわゆる「知的エリートで社会的にも成功している」個性の
持ち主達は、この前の暴動をどう考えているのだろう?日本版の紙面で紹介されていたのは見開き
2ページのみだった。本国ではもっと特集されていたのかも知れないけれど、そこら辺ももっと
知りたかったな。[…ちょっと話がずれるが、思えば暴動を起こした人々には、ハナから「勝ち組・
負け組ゲーム」への参加資格を与えられていない。ゲームに参加するという「選択」すら出来ない
ため、はじめから「自分らしく」という呪文を唱え続けなくてはいけなかったのではないか。そして
それは、紆余曲折の挙句「自分らしく生きる」事を選択するのとは、明らかに違うはず…日本も
いつかこんな日がくるんだろうか。]
ま、いろいろ書きましたがなんとか軌道に乗せて欲しいものです。
編集の現場から発信される日記も、様々な編集スタッフの声が紹介されている。
編集会議の様子が書かれていたが、ボツになった企画原稿も紹介してくれたらいいのに、なんて
思ってしまった(そうなるとまたお金がかかるだろうから、やっぱできないだろうなあ)。
興味のある方はこちらもどうぞ。
長らくごぶさたしてまして恥ずかしい限りです。あきれてらっしゃるのでは…。クーリエ、私も気になって手に入れました。今度クーリエで翻訳、編集をなさっている方の講演があるそうです。http://www.fellow-academy.com/school/short/index.html#
他にも興味深そうなのが。
ドイツ行ってらしたんですね。うらやましい。楽しく過ごしたようで何よりです。
こちらこそ、ご無沙汰しております(こんなんばっかでスミマセン)。ご紹介いただいたサイト、早速拝見しました!
どんなお話が聞けるのか興味深いですよね~。是非参加したいのですが、どうやら日程が無理っぽいので残念です(泣)
「クーリエ…」には、これまでに「Die Zeit」や「南ドイツ新聞」、「Der Standard」からの記事が紹介されていましたが、
あれって全文掲載ではないですよね?
外国の新聞ってもっとだらだらと饒舌な記事が多いという印象があったので…それとも短めの記事ばっかり選んでいるのかしら。
そんなお話も聞けるかも知れないのに、ホント残念です。
