tabula rasa

いわば、スクラップブック兼メモのようなもの。
.

10.08.05

世界的にほっとけないのだ[気になるモノゴト]

仕事の帰りに立ち寄った書店。
会計を済ませた後、レジ横に置いてあるワゴンに、白いリストバンドのようなものを発見した。

wb.jpg

その名も「ホワイトバンド」。シンプルなデザインで、雪の結晶のような模様が3つあしらわれているだけ
(これは後にアスタリスクだと知る)。
貧困撲滅のためのキャンペーンで、このホワイトバンド(一個300円也)を購入し、身に付けよう!
…というものらしい。

そういやどこかの新聞で読んで、「何か気になる」と思ったきりだった。
早速手にとってレジに向かおうとしたら、行列が出来ていて一瞬萎えるものの(空腹だった)、
頑張って再度並んで購入。

帰宅してとりあえず身に付けてみる。ちょっと女性の手首には大きすぎるなあ、というのが正直
な感想。今の季節なら足首につけてもいいかもしれないけど…(これは公式ブログにも書いて
あって、現在小さめサイズを検討中とのこと)。

…正式には『ほっとけない 世界の貧しさキャンペーン』。
世界のNGOが連携してのプロジェクトで、日本では今年の7月から始動したばかりなのだそうだ。
以下にこのキャンペーンの趣旨を(公式サイトより抜粋)。

いま世界では3秒にひとり、子どもが貧困から死んでいます。1日だと3万人。 1日1ドル以下の生活をしている人は12億人、きれいな水を飲めない人は10億人以上、 読み書きのできない大人は8億6000万人、これまでエイズで死んだ人は2000万人。


世界的な貧富の差が拡大しています。モノをつくっても公平に取り引きしてもらえなかったり、返済不可能なほどの借金を背負わされていたりすることで。

この貧困は人災です。克服することができます。
そのために必要なのは「貧困を世界の優先課題とすること」です。

20年前、アフリカ救済イベントで280億円の寄付を集め、
喜んだのもつかの間、それがアフリカでは先進国への債務返済に一週間で消える額でした。
寄付だけでは、貧困のスピードに追いつけないのです。
みんなの意向を集めて、政策を引き寄せなければ。

世界の貧困をなくすために、日本にできることは、
援助をふやす、援助をよくする、
最貧国の高すぎる返済金利を少なくする、
そして貿易をフェアにする、この4つです。
2005年はG8サミット、国連総会、WTOと大きな会議が3つもあります。
日本が世界にむけ「貧困の克服を日本の優先課題にする」とはっきり言うチャンスです。

今、世界が本気になって、構造を変えようとしています。
あなたも、ホワイトバンドを身につけてください。
貧困をなくすために、できることをしてください。

ほっとけない 世界のまずしさ。

街中での募金はなんだか信用できない(ついこの前も詐欺で摘発されているところがあった)し、
こういうのってなんだか偽善っぽい…そう思う人だっているだろう。勿論貧困に苦しむ国々だって
お金が集まる方が断然いいに決まってる。だが、集まったお金があっという間に借金返済で消えて
しまうという、焼け石に水のような状態が続いているのならば、世界全体でこの問題に取り組んで
いくしかないわけで、そうなると、やがては「自分も」その問題について考えることを求められていく
だろう。
自己満足でもなんでもいい、そういうことに関心を示すことって、悪いことじゃない。

お金を出して、ハイ終わり…の時代から、フツーの人も気軽に、でも一過性のものではない関わり
かたのできるキャンペーンへ。これからの展開が楽しみです。

ちなみにドイツ語版公式サイトはこちら。トップのGrönemeyer、やっぱりねって感じです。
ドイツ版のホワイトバンド…興味あるけどサイズが大きそうなので、やっぱやめとこ。

※1このホワイトバンド、購入しないといけないわけではなく、紐でも布でも白いものを腕に巻い
たりしてもOKらしい。大事なのは貧困問題に対して意識を持つということ、そしてそれを姿で示す
事なのだそうな。

※2ホワイトバンドは最近オークションなどでも高額で取引されているらしい。特に外国版の物は
レア度が高いのでわからないでもないが、あまりに高額だと、本来の目的から外れてしまうのでは
ないかと心配。…余計なお世話?

★追記(9月15日)
購入してからというも、シャワーを浴びる時も寝る時も身に付けているホワイトバンド。
そのホワイトバンド、最近は「詐欺か否か」で盛り上がっている。頂いたトラックバックにも、その
様な趣旨の記事があり、興味深く読ませていただいた。

雑誌「GQ」でも、ホワイトバンド一本の売り上げ(300円)に対するコストの内訳が紹介されていたが
実際にアフリカに寄付が行くのかと思えばさにあらず、殆どが流通費・宣伝費などに消えていき、
残りは参加しているNPOやNGOの活動費に消える…だからこれは募金や寄付ではなく詐欺だ!
と、大まかに言うとこういう事らしい。

という訳で、先日の記事で私が書いた「売り上げは貧困撲滅のために使われる」という表現はかなり
誤解を招く可能性があるので削除させていただきます。
※公式サイトのPDFには、当初「ホワイトバンドの売り上げの3割は、世界の貧困をなくすための
活動費に使われます」と紹介されており、それを記事を書く際の参考にしたのだが、後に「そして
そのような世論を構成する行動的な市民層を育てる地球市民教育や開発教育活動などを強化
するためにも、この部分は使われます」という一節が追加されたとのこと。

個人的にはこういった情報を聞いても、だまされたのとは違うんじゃないかと思っている。購入後に
公式サイトで内訳も確認したし、「GQ」でも見た。…そりゃお金掛かるだろうよ、とある程度納得
している。
Web一つとっても構築・維持するのは大変だろうし、広告をバンバン打って人の目に留まらなければ
そもそもせっかくの活動が無駄になる。ホワイトバンド自体だって、あんまり買い叩くようなことが
あれば「フェアトレード」ではなくなるだろうし、そもそもこの運動自体に尊さを求めて、ボランティアで
やれというのはこちらのわがままだし。
このプロジェクトがきっかけで、「貧困問題」について関心をもつ人が一人でも増えればそれは
すごいことだと思う。

…でも正直言って雑誌やテレビが「セレブも身に付けている!!」というような紹介の仕方には辟易。
こういう宣伝方法じゃないと多くの人には広まらないだろうけど、その分「ブームの終焉」に向けて
加速をつけているだけじゃないのかと心配する。"格好良く"やるのもいいけど、諸刃の剣みたい。
地味だとウケないし、マスコミや宣伝屋を味方につけるのもいいけれど、そのぶん「消費」される
スピードが早まるとすれば残念。

これまで中国で生産をしていたホワイトバンド(個人的にはそこが疑問だった。せっかくやるなら
アフリカでやれば?って)、やっとアフリカで生産する目処がついたと言うことだったのだが、こんな
状況じゃアフリカの工場が軌道に乗る前に「ブーム」は終わってしまうのじゃないだろうか。地元民
からすれば、せっかく仕事につけたのに、「ブームが終わったから」と首切られたらたまんない
…ナタデココの二の舞?

そしてもっと心配なのは、その「終焉」とともに、貧困問題に対する関心も薄れていってしまうこと。
私自身はブームが終わっても身につけるつもり。それは貧困問題だけじゃなくて、自分自身への
呼びかけだ。「関心を持ち続けよう、学び続けよう、自分で結論を導こう」と。


■参考までにどうぞ
・「さて次の企画は」-ほっとけない!ホワイトバンドで儲けるサニー・サイドアップメソッド
・「suneoHairWax::ein differenztheoretischer Ansatz」-ホワイトバンドへの嫌悪について
・「Where Angels Fear to Send Trackbacks」-ホワイトバンドを巡る議論についての覚え書き

投稿者 contra : 10.08.05 23:15
コメント

うたい文句が宗教臭くないですか?
「香をたくお金があったら貧しい人を救いましょう!」
「そういうことではないのだよ、精神を救うことこそが重要なのだ」チックな。

このやりかたでは圧力団体になり得ません。
彼ら主張をする集団が選挙に出て票をもらう等の手段に出ない理由を考えてみた方がよくないですか?

既にユニセフという集団が、貧困している人がいることをアピールしつつ様々な行動をおこしているにもかかわらず、
声を上げようと言ってお金を自分たちの中で回しているだけの集団の必要性がわからない。

Posted by: everes : 15.09.05 10:28

コメントありがとうございます。

確かにあちこちのブログで「ホワイトバンドは詐欺か否か」をめぐって話題になっており、そういった記事を興味深く読んでは考えることも多々あるのですが、個人的には呼びかけそのものに対して「精神性を強調した宗教臭いもの」とも思いませんし、彼らに対して一つの圧力団体として政治活動を期待しているわけでもありません。

政治家の中には何人かこの運動に賛同している方もいるようですが、野党はともかく、政府与党レベルまでホワイトバンドが浸透するかは疑問の多い所です(そんな都合の悪いこと出来ませんよね)。勿論、頑張って欲しいとは思っていますが。

長年ユニセフが活動してきたにも関わらず、その呼びかけがなかなか浸透しないもどかしさを感じていたのは事実で、そういった問題に関心を持たなかった層に、新たな問題意識を提供することが出来た点は、面白いと思います。

Posted by: contra : 15.09.05 18:47
コメントする









        
        

名前、アドレスを登録しますか?






August 2007
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  




Category
ご案内
お買い物(12)
ドイツ語・ドイツ関連書籍(4)
ドイツ語・気になる表現(3)
ベルリン・ドイツの話題(22)
散歩(2)
旅行・見物記(12)
気になるグッズ(3)
気になるサイト(5)
気になるモノゴト(13)
翻訳系(7)
読書記録(6)
身辺雑記(36)
鑑賞記録(映画、舞台、その他)(7)
雑感(7)
食い・飲み道楽(7)

Archives
August 2007
Juni 2007
Mai 2007
April 2007
Februar 2007
Januar 2007
Dezember 2006
November 2006
Oktober 2006
September 2006
August 2006
Juli 2006
Juni 2006
Mai 2006
April 2006
Mrz 2006
Februar 2006
Dezember 2005
August 2005
Juli 2005
Juni 2005
Mrz 2005
Januar 2005
Dezember 2004
November 2004
September 2004
August 2004
Juli 2004
Juni 2004
Mai 2004
Mrz 2004
Februar 2004

Entries
記憶の断片へ
意外と楽しい作業
ホステル+オスト=
ハンブルクもチラ見
ハプニングだらけ
どこかで誰かが

Links
pya!
海外ボツ!News
サルヴァスタイル美術館
とまどわず ふりむかず
Puzzling Ring
翠嵐堂
Villa Fort

grupa_cosmos.JPG

Blogs




Thanks
Milano::Monolog
MTMemo
miz graphics
Syndicate this site (XML)
Powered by
Movable Type 2.661