09.03.04
マグダラのマリアたち[読書記録]
マグダレンの祈りという本を読む。昨年の秋に、恵比寿で公開されていた映画の原作。
残念ながら、映画を見る機会がなかったのだけど、気になっていたので手に取ってみた。
50年代のアイルランド、マグダレン修道院。そこにあるホームに集まってくるのは、子を
みごもった女性たち。未婚で避妊に失敗した者もいれば、家族からの暴行を受けた者もいる。
共通しているのはそれが望まない(望まれない)妊娠であるという事だ。
娼婦の身でありながらイエスに帰依し、改心を誓ったマグダラのマリア。彼女の名にちなんで
付けられたこの「ホーム」の実態は、当時弱い立場にあった女性の"避難所"というよりは、
性的に"堕落"したものを矯正する収容所だった。
入所者は頭を刈られ、粗末な制服を身に付ける。シスターが目を光らせ、お互いの会話は
禁じられる。厳格な規則、重労働、不衛生な環境…読み進むたびに顔をしかめる描写が
続く(例:臨月のものにも道路の舗装工事、陣痛が始まっているのに掃除!)。
陣痛の耐え難い痛みにも、分娩台に上がることを許さない、そんなシスター。
彼女が折に触れて口にする言葉は「五分間の快楽の罰です」…。"5分間"かどうかはともかく
中には暴行を受けた女性もいるだろうに。そして当の妊娠させた張本人は、外の世界で羽を
伸ばしているのに…。
出産を終えた後も、子供が3歳になるまでは出られない。再び続く重労働の日々。彼女たちが
再び「外」の世界へ戻るのは、子供がどこかにもらわれていくのを、自分の目で見届けてからだ。
祝福されない妊娠、子供との別れ。…これが「五分間の快楽の罰」?
厳格なカトリックの教えを基盤としていた50年代のアイルランド。処女性が神聖視されていた
時代の話だ。当時は地域のコミュニティもしっかりしていただろうから、望まない妊娠をした者や
その家族は、さぞかし居心地が悪かったろう。もちろん、誰が悪いかを言い出したらキリがない
けれど、驚くべきはこの収容所(いや、修道院か…)は、96年まで存在していたということ。
この話は実話で、収容された女性は延べ3万人だという。
…映画も機会があれば是非見たい。
こんにちは、contraさん。
この内容を聞いて、私も是非観てみたいと思いましたが、もう上映していないんですね…。
残念。
思いきってDVDを買おうかしら?
でもそれくらい、価値のある映画かもしれませんね。
何が結局「悪い」のか、語りだすと結構深く
なりそうな作品です。
私もDVD、気になっているんです。是非観て
みたいものです。
原作とは微妙に設定も違うらしいのですが、
それでも衝撃を受けるのは同じですよね。

